年金生活の家計に潜む定額サービス 見直しでお金にゆとりを
はじめに
年金生活に入り、収入が年金のみとなる中で、日々の暮らしのお金について不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。食費や光熱費、医療費など、どうしてもかかる支出がある一方で、工夫次第で見直せる部分もございます。
今回は、見落としがちながら、月々の支出に意外と影響を与えている「定額サービス」について考えてみましょう。上手に付き合い、見直すことで、家計に無理なくゆとりを生み出すことができるかもしれません。
定額サービスとはどのようなものでしょうか
「定額サービス」とは、一般的に「サブスクリプション」とも呼ばれ、毎月あるいは毎年、一定の金額を支払うことで、特定のサービスを継続的に利用できる仕組みのことです。
例えば、
- 映画やドラマが見放題の動画配信サービス
- 音楽が聴き放題の音楽配信サービス
- 新聞や雑誌が読み放題のサービス
- 特定のアプリケーションを使い続けるための利用料
- 健康維持のためのオンラインフィットネスや情報提供サービス
- 通販サイトの送料が無料になるなどの会員サービス
などが挙げられます。スマートフォンやインターネットの普及により、こうした定額サービスは私たちの身近にたくさん存在しています。
なぜ定額サービスの見直しが大切なのでしょうか
一つ一つの定額サービスの利用料は、月数百円から数千円程度かもしれません。しかし、これがいくつか積み重なると、年間では数万円、場合によってはそれ以上の金額になります。
- 気づかないうちの支出: 過去に試しに申し込んだまま、利用していないサービスにお金を払い続けている。
- 重複したサービス: 同じようなサービスに複数加入している。
- 利用頻度と費用のバランス: あまり利用していないのに、高いプランのままになっている。
このように、意識しないままに支払っているお金がある可能性があります。これらのサービスを一度整理し、本当に必要なものだけを選び取ることで、無駄な支出を減らし、家計にゆとりをもたらすことが期待できます。
定額サービスの見直し方:具体的なステップ
では、どのように定額サービスを見直せば良いのでしょうか。以下のステップで進めてみることをお勧めします。
ステップ1:加入しているサービスを把握する
まずは、ご自身がどのような定額サービスに加入しているかをリストアップしてみましょう。
- 銀行の通帳やクレジットカードの明細を確認する
- スマートフォンの契約内容やアプリの請求履歴を確認する
- パソコンやスマートフォンの設定画面で、登録しているサービスを確認する
このようにして、毎月や毎年の引き落としの中に、心当たりのある定額サービスがないか探してみてください。思っていたより多くのサービスに加入していることに気づくかもしれません。
ステップ2:それぞれの必要性と利用状況を評価する
リストアップしたサービス一つひとつについて、以下の点を考えてみてください。
- そのサービスは、本当に必要でしょうか。
- どのくらいの頻度で利用していますか。
- そのサービスがあることで、生活はどのくらい豊かになっていますか。
- 同じようなサービスを他に利用していませんか。
ご自身のライフスタイルや趣味嗜好と照らし合わせ、「なんとなく続けている」「ほとんど利用していない」といったサービスがないか、正直に評価することが大切です。
ステップ3:見直しを検討する
評価の結果に基づき、以下のいずれかを検討します。
- 解約する: 全く利用していない、あるいは必要性を感じないサービスは解約を検討しましょう。
- プランを変更する: 高いプランに加入しているものの、実際には下のプランで十分な場合は、プランの変更を検討します。
- 他のサービスと比較する: より安価で、ご自身の利用目的に合った他のサービスがないか調べてみるのも良いでしょう。
無理に全てを解約する必要はありません。本当に楽しみにしているもの、生活に欠かせないと感じるサービスには、継続してお金をかけるのも良いでしょう。大切なのは、ご自身の価値観に合った選択をすることです。
ステップ4:手続きを行う
見直しを決めたら、サービスの解約やプラン変更の手続きを行います。手続きの方法はサービスによって異なりますが、ウェブサイト上や、電話、郵送などで可能な場合が多いです。手続き方法が分からない場合は、サービスの提供元に問い合わせて確認すると良いでしょう。自動更新を停止する設定も忘れずに行いましょう。
定額サービスと賢く付き合うために
一度見直しを行ったら、それで終わりではありません。
- 無料トライアル期間の終了に注意: 多くのサービスには無料でお試しできる期間がありますが、期間終了後に自動的に有料プランへ移行するものがあります。必要なければ、無料期間が終わる前に解約手続きを行うようにしましょう。
- 不要になったらすぐに解約: 利用しなくなったサービスは、先送りせずにその都度解約する習慣をつけることで、無駄な支出を防げます。
- 家族で話し合う: ご家族と一緒に暮らしている場合は、どのようなサービスに加入しているか共有し、重複がないか、みんなで利用できるものはないかなどを話し合うことで、より効率的に見直しが進むことがあります。
まとめ
定額サービスの見直しは、一見すると手間がかかるように思えるかもしれません。しかし、ご自身の支出を把握し、本当に価値を感じるものにお金を使うという意識は、年金生活において大変重要です。
今回ご紹介したステップを参考に、一度ご自身の定額サービスについて点検してみてはいかがでしょうか。少しの手間で、毎月の家計にゆとりが生まれ、その分のお金を他の趣味や楽しみに使うことができるようになるかもしれません。ご自身の暮らしをより良くするために、ぜひ一歩踏み出してみてください。